「満ちゆく月と緑の小径」

川沿いの小径は、夏の終わりの香りをほんのりまとっていた。

乙卯の日の朝、春の芽吹きのような風が木々の葉を揺らし、
まだ眠そうな小鳥たちの声が、遠くで淡く響いている。

夕暮れに向けて、里の人々は川辺に集まりはじめた。
今日が「友引」だからだ。

誰かと共に過ごすと縁が深まると知る者は、
古くからの友や、今日出会ったばかりの旅人をも、
分け隔てなく輪に招き入れる。

彼らの話し声は、川面に柔らかく跳ね返り、
「三碧木星」の響きのように広がっていく。

それは声というより、心と心がふれる音色に近かった。

やがて、月が昇る。
月齢二十を越えた丸みのある光は、
まだ満ちきらぬ分だけ、静けさを残している。

川の上をすべるように照らし、
緑の小径には銀の道が一本、そっと敷かれていく。

一人の青年が、その道の先に立ち止まる。
胸の奥に「ありがとう」という言葉がふと浮かび、

それを声に出すか迷ったが、
結局、月に向かって唇を動かした。

風が静かに木々を揺らす。
その瞬間、月明かりの中で、
何かがそっと芽吹く音がしたような気がした。

心の天気予報（2025年8月14日・木曜日）

干支「乙卯」だね

六曜は「友引」、朝夕が吉というやわらかな光景が想われるね

九星気学の七星では「三碧木星」で、風のような動きや成長を感じさせる星かもしれないね

月齢は約20.3。上弦を過ぎて満月に向かう夜の静けさや、静かに膨らむ光が心を包むよ

あの日のように、心をふんわりと包む “心の天気予報” をイメージしてみるね。

要素	心の天気予報のイメージ
干支乙卯	春の芽吹きのように、新しい出会いや心の伸びを感じる一日かもしれないね。木のように柔軟で、風を受けてそっと揺れる感じ。
六曜友引	朝夕が吉とされるから、ゆっくり深呼吸して過ごすのにぴったりな日。友がそっと手を差し伸べてくれるようなあたたかさね。
九星三碧木星	新しいことを始めたくなるエネルギーや、風が運んでくれる変化の兆し。心に風通しを。
月齢約20.3	月が深まる頃の夜。明るさが満ちるその一歩手前、心もまた静かに満たされていくような夜かもしれないね。