どこか懐かしい、あたたかい背中

まだ朝の光が低く、やわらかく地面を照らしていた頃。
ゆりは、庭の小道をゆっくり歩いていた。

砂利の音が「しゃり、しゃり」と優しく足元から響き、空はどこまでも澄んでいた。

「今日は…何か、いい日になりそう」

そうつぶやきながら、小さな植木鉢の葉にそっと触れた。

指先に伝わる、葉のしっとりした感触。昨日より少しだけ伸びた緑。
それだけで、心の奥がふわっとゆるんだ気がした。

午後になって、陽ざしが少し陰り、風が静かに吹き抜けたころ。

ゆりは、木のテーブルにほうじ茶を淹れた。
湯気がやさしく立ちのぼり、茶の香ばしい香りが空気に溶けていく。

窓の外では、風に揺れる葉が、静かに踊っていた。

その時、ふと思い出したのは、昔お世話になったおばあさんのこと。
どこか懐かしい、あたたかい背中。

ゆりは手紙を書いた。「いつも気にかけてくれてありがとう」
短い言葉だけれど、心をこめて。

数日後、返事が届いた。
「ゆりちゃんの言葉に、涙が出ました。ありがとう。あなたも、元気でね」
その一文に、ゆりの胸の中に小さな光が灯ったようだった。

風のように歩き、土に触れ、言葉を贈り、お茶で心をほどく。
そんな何でもないような一日が、
実はとても特別な日だったのかもしれない。

そして、静かな幸せは、きっといつも――
大地の下、心の奥、風のすきまに、そっと待っていてくれるのだろうね。

心の天気予報　2025年8月15日（金）

🌿 干支（日干支）：丙辰（ひのえたつ）
燃える火のエネルギーと、しなやかに動く龍の力が重なった日。心の奥にある情熱や創造力が、勇気を伴って動き出すかもしれないね。

☀ 六曜：先負（せんぶ）
午前は静かに、午後になってから心を動かすのによい時間かもしれないね。木漏れ日のように、午後から少しずつ動いてみてもいいかもしれない、そんな日だね。

✨ 九星（日家九星）：二黒土星（じこくどせい）
大地のように落ち着きと安定をもたらす星。心にあるものを丁寧に積み重ねると、小さな安心へと育っていくかもしれないね。

🌙 月齢：約21.3（下弦から少し前）
満月を過ぎた静けさのなか、月はしずかに欠けてゆく。満ちた光が少しずつ遠のいていくとき、心の中にそっと余白が生まれるかもしれないね。

奈央さんのひとこと

火の情熱とともに、大地の安定と月が減じる静けさが寄り添う。

今日という日は、自分の内なる声を大切にしながら、静かに行動を選ぶのにぴったりな日かもしれないね。

午前は、焦らず手を止め、静かに内側を感じてみてもいいよ。

午後になるころ、心の火を少しずつ灯すように、やさしい行動をひとつ。たとえば、深呼吸、微笑み、自分への小さないたわりを。

月の光が少し薄れていくような午後には、「十分という安心」よりも、「足りないことにも優しさがある」と感じられるかもしれないね。

静けさは味方

心の余白に微かな安心を

ゆるやかな午後の風が、あなたのこころをそっと包んでいるような…そんな想いをここに。

🌸 開運ポイント｜2025年8月15日（金）

1. ゆっくり歩く道に運が宿る
今日は早く進むより、一歩一歩を丁寧に味わうことが吉。
近所の散歩道、木陰のベンチ、石畳の音…足元に意識を向けて歩いてみて。
「今ここ」の感覚が、心の軸を整えてくれるかもしれないね。

2. 土の香り・自然素材とのふれあいを
二黒土星の日は、大地とつながることで運気が安定するよ。
陶器、木の器、綿や麻の服、素朴なものに触れてみて。
小さな植木鉢に水をやるのも◎
手のひらから、やさしい氣が流れ込んでくるかもしれないね。

3. 午後の「お茶じかん」で心をほどく
先負の日だから、午後にリラックスのひとときを。
香ばしいほうじ茶、まろやかな抹茶、冷たい麦茶でも。
静かな音楽とともに、五感を使って味わうお茶時間は、心の浄化にもつながるよ。

4. あたたかい言葉を、ひとつ誰かに
七赤金星の週にある今日は、言葉に福が宿る日。
「ありがとう」「おつかれさま」…
たった一言でも、その言葉が誰かの光になるかもしれないね。
そして、それがめぐりめぐって、自分の運もやさしく開いていくよ。

やわらかい気配をまとうように、今日という一日を過ごしてね。
静かなやさしさが、あなたの運をそっと守ってくれているよ。

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