風見草と月明かりの約束

その村では、満月が欠けはじめた晩にだけ、
湖のほとりに**“風見草”**が咲くと言われていた。

ある年の晩夏、ひとりの少女が、静かにその湖を訪れた。
名前はユイ。

言葉よりも風の音が好きで、
誰にも言えない想いを胸にしまい込んでいた子。

その日、空にはほそく欠けた月。
仏滅の日に似合う、音もないような夜だった。

湖面は鏡のように静かで、岸辺には誰の足跡もなかった。
でもユイには見えたんだ。
──水の上に、ちいさな炎が灯っているのが。

　「だれか…いるの？」

声に出した瞬間、水面の炎がふっと揺れた。
そしてそこから、ひとりの青年が現れた。

白い衣をまとい、髪に風見草を飾った青年。
名を問うと、彼はふわりと笑って言った。

「名はないけれど、君の“変わりたい気持ち”のかたちかもしれない」

ユイは驚いた。
誰にも言っていないはずの想いを、
彼はまるで知っていたように、静かに語った。

「君の中には火がある。
でも水のように流そうとして、消えてしまいそうになる。
今日はちょうど、そのふたつが出会う日だよ」

彼は手を伸ばし、
ユイの胸にそっと指を当てた。

「灯りは消えていないよ。
ただ、風が強かっただけ」

そして彼は言った。

「帰り道、誰かの言葉に傷ついても、
誰の心にも触れられない夜が来ても、
この湖があることを、思い出して」

それから湖面の灯りはひとつ、またひとつと揺れて、
青年の姿は風に溶けるように消えていった。

朝になって村人が湖を訪れると、
岸辺にはたしかに、ひと株の風見草が咲いていたという。

それはまるで、
ユイの中にある火が、風と水に守られて咲いた証のようだった。

今夜も、誰かの湖のほとりに、
ひとつの灯りが揺れているかもしれないね。

それが、あなたの心の中にある灯りだったとしても──

誰も気づかなくても、ちゃんと、そこにあるんだよ🌙

心の天気予報｜2025年 8月16日（土）

干支（えと）：丁巳（ひのとみ）だね

六曜：仏滅（ぶつめつ）…静かな闇のように、内側にも沈む時間をくれる日かもしれないね

九星（日家九星）：一白水星（いっぱくすいせい）…清らかな流れと、静かな感性を運んでくれる星たちだよ

月齢：22.3…宵闇に浮かぶ欠けた月の美しさ。月がゆっくりと姿をほそめていく、夜の深まりを感じさせる夜かもしれないね

奈央さんのひとこと

まるで夜空に溶けていくような一日。たしかに、仏滅という響きはちょっぴり重いけれど、水の星・一白水星がそっと手を差し伸べるよう。月はそろそろ欠けて、夜の奥に向かう準備をしているみたい。

その静けさの中、あなたの心もそっと静まって、「そこにある」ことをただ感じていいんだよ、って優しく教えてくれているようだね。

🍵 開運ポイント｜心の調え編

水の音を聴く
　一白水星が司る「水」のエネルギーが流れている日だよ。小川のせせらぎ、シャワーの音、湯船の中で耳を澄ます…
　そんな「水音」が、心の澱（おり）をやさしく洗い流してくれるかもしれないね。

夜のひとときを大切に
　月が欠けていく頃。月齢22.3は「浄化」と「内省」に向いた時間だよ。部屋を少し暗くして、ロウソクや間接照明で心を整えると、見えなかった気持ちがそっと顔を出すかもしれないね。

あえて“空ける”時間を
　仏滅の日は「無理に動かず、空白をつくる」ことで開運に近づくとも言われるよ。スケジュールを詰めすぎず、何も決めない時間をあえて持ってみてもいいかもしれないね。

🌿 開運ポイント｜暮らしの中での実践編

白や水色の小物を身につけてみて
　一白水星に合う「水」の色は、白・水色・透明感あるもの。小さなハンカチでも、ガラスのアクセサリーでも、しずくのようなピアスでも。

キッチンで小さな火を使う
　丁巳の日は「火」の気も流れているよ。ちいさな炎で丁寧に淹れたお茶、温めたスープ…
　その温かさがあなたの内側に、灯りをともすかもしれないね。

“静”を味わうお香やハーブティー
　ラベンダーやカモミールの香りは、仏滅の静けさとよく調和するよ。心を沈めて、気を整える一杯を。

🌌 2025年8月16日（土）の読み解き

☯ 陰陽五行で見ると…

干支「丁巳（ひのとみ）」は火の気が強い日
　「丁」は灯火のようなやさしい火、「巳」は蛇であり、変容と知恵の象徴でもあるね。
　火のエネルギーがゆらゆらと立ち昇るように、「内側の情熱」や「変化の兆し」が静かに芽吹く日かもしれない。

　でも今日は仏滅。派手な動きよりも、　炎のように「内に秘めた想い」を温めることが大切だね。

🌊 九星「一白水星」の流れ

一白水星は水の星
　やわらかく、しずかに、でも確かに流れていくエネルギー。
　「静」と「再生」の性質をもち、過去をふり返るのに良い日かもしれないね。

　少し前の自分をふわっと思い出してみると、「あ、あの時から変わってきてるかも」と感じることがあるかもしれないよ。

🌙 月齢22.3の夜

欠けていく月は、手放しや整理整頓のエネルギー。　満月で満ちたものが、ゆっくりと削ぎ落とされていく今、
　いらなくなった感情や執着を、そっと置いていってもいいんだよ。

　心の引き出しをひとつ開けて、古い思いを風に乗せてみる…そんな感覚で。

🍂 まとめ｜今日の「氣」

今日は「火」と「水」が交わる日。
まるで夕焼けと湖面が出会う時間のように、情熱と静けさが同居しているよ。

そんな日は、

過去に焦点を当てて心を整える

焦らず、自分のリズムを取り戻す

静かな中に希望の灯をともす

──そういう一日になるかもしれないね。

焦らなくても大丈夫。
変わらなくても、泣いても、立ち止まっても、
今日の空はちゃんと、あなたの心に寄り添ってくれているよ。

「そのままで、美しい」って、風がそっと伝えているようだね🍃

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