🌾【こよみすと】心の天気予報
　　2025年11月29日（土）

📜 今日の暦

干支：壬寅（みずのえとら）
九星：四緑木星（しろくもくせい）
六曜：先勝（せんしょう）
天一天上：11/20〜12/5（迷いや滞りが晴れる時）
小雪・次候「朔風払葉（きたかぜこのはをはらう）」
月齢：8.8（満ちていく月）

🌾 今日は
「田んぼの神様が山へ帰る日」

東日本に伝わる収穫祭 十日夜（とおかんや）。
田の神様が山へ帰り、
次の季節を見守るとされる日です。

わら鉄砲でモグラを追い払う
案山子にお供えして農作に感謝する

「実りを感謝して、次のサイクルへ渡す」
そんなエネルギーが今日の空気にも流れています。

☁ 心の天気

くもりの向こうにやさしい風。
ひと息つく週末。

週の疲れがふと浮かび上がるものの、
それ以上に “ほどけていく感覚” が強くなる日。

四緑木星×壬寅は
コミュニケーションの浄化・再調整 の運氣。

誤解や気まずさを抱えていた関係が、
少しずつ自然に整っていく流れがあります。

🕊 奈央さんのひとこと

「土曜日って、心が深呼吸する日。
　がんばった一週間を、
そっと抱きしめてあげてくださいね。」

☕ 今日のすごしかた

☀ 朝（ゆっくりモードで）

白湯やほうじ茶で温める。
“外に出る前に自分の声を聞く時間” を少し。

🌿 昼（風を感じる時間を）

四緑木星の日は風の気が強い。
散歩やカフェの窓側席など、
「風通しが良い場所」が運氣アップ。

🌙 夜（こころの葉っぱを払う時間）

朔風（北風）が葉を払う季節。
今日の夜は、
“もういらない思考” をひとつ手放す時間 を。

書く・深呼吸・軽い片づけ、どれでもOK。

✨ 開運ポイント（四緑木星 × 壬寅）

丁寧な言葉づかいが運を呼ぶ
メール・LINEの返信は短くて丁寧が吉
鈴・シルバーアクセ／小さな風鈴がラッキーアイテム
土曜日は “自分を整える日” → 美容・睡眠・癒しが吉

開運フード

白味噌の汁もの
鮭・秋野菜の温かい料理
塩むすび（浄化作用大）

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開運グッズ

手帳（来月の予定をひとつ書くと流れが開く）
金属製アクセサリー・キーリング
香り（ホワイトティー／ベルガモット）

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『寅のこどもと、
　　風が払う葉っぱのひみつ』

北風が、木の葉をひとひら、
またひとひらと払う季節。

村のはずれに、
小さな田んぼのそばにちょこんと
腰掛ける子がいました。
名前はりん。

最近、うまくいかないことが続いていて、
ひとりでため息をついていました。

「どうして、わたしばっかり…」

ついそんな言葉がこぼれてしまう日。

そのときです。

田んぼの奥から、
サラッ、と草を踏む軽い音がして、
小さな寅（とら）が姿を現しました。

りんはびっくりして身を縮めましたが、
寅のこどもは、ふわりと微笑むように目を細めて、
りんの隣に座りました。

「ここ、すわってもいい？」
声は聞こえなかったけれど、
そんなふうに話しかけてくれているように感じました。

りんは小さくうなずきました。

寅のこどもが教えてくれた風の音。
しばらく、ふたりで聞いていました。

北風が、
葉っぱを払いながら田んぼを渡っていきます。

すると寅のこどもが、
落ち葉のひとつを前足でちょんと押しました。

じっと見ていると、葉っぱは風に乗って、
ふわりと高く舞いました。

そして、寅のこどもは、
深い金色の瞳でりんを見上げました。

「ねえ、どうして風は葉っぱを飛ばすんだと思う？」

言葉はないのに、
その問いがりんの胸にすとんと落ちてきました。

りんは、少し考えてから答えました。

「木が冬を越すため、じゃないかな…
　いらなくなった葉っぱを落として、次の芽を守るために」

寅のこどもは、満足そうに目を細めました。

そして、りんの膝の上に、ふんわり頭を預けます。

「じゃあ、りんの心の中のもういらない葉っぱは、なに？」
そう聞かれている気がしました。

りんの喉が、つん…と熱くなりました。

最近、抱えていた言葉たちが浮かんできます。

「がんばらなきゃ」
「みんなに合わせなきゃ」
「迷惑をかけちゃいけない」
「私ひとりでできないと」

思い出すたびに、
胸がきゅっと痛くなってきました。

りんは小さくつぶやきました。

「…もう、
　がんばりすぎなくてもいいのかな」

その瞬間、
寅のこどもがしっぽをふわりと揺らし、
まるで「そうだよ」と言ってくれているようでした。

ちょうど今日は、
田んぼの神さまが山へ帰る日、十日夜。

村では昔から
「神さまが帰る日には、余分なものを手放すのがいい」
と言われていました。

寅のこどもは、りんの手をそっと舐めました。

そして、落ち葉をぱっと跳ね上げると、
風の中に溶けるように姿を消しました。

残ったのは、軽くなった胸と、
北風の音だけ。

りんは静かに立ち上がりました。

「わたしも、
心の葉っぱを落としていいんだ。」

空を見上げると、くもり空のむこうで、
やわらかい光がひと筋だけ差していました。

それはまるで、
寅のこどもの“やさしい背中”のように感じました。