金のきらめきと霧のち静寂

夜明け前の町は、まだ薄い霧のヴェールに包まれていた。
道端の葉はしっとりと濡れ、遠くの山影はやわらかくぼやけている。
その霧は、まるで心の奥に溜まった小さな不安や疲れを、静かに隠してくれているようだった。

「今日は動かなくてもいいよ」
風がそう囁く。
だから、急ぐ足を止め、ただ深く息を吸う。
空気の湿り気とともに、胸の奥まで満たされていく。

昼近く、霧はすこしずつ晴れてゆき、
空に満月の光がまだ残っているのが見えた。

真昼の空に漂う白い月は、まるで昨日の夜からの手紙のようで、
「まだここにいるよ」と、静かに見守ってくれていた。

その光を見上げると、不思議と心の中もほどけていく。
やわらかな呼吸を何度か重ねるたび、
胸の奥の硬いものが、ゆるやかに溶けていった。

そして夕暮れ。
西の空が金色に染まるころ、
一日の終わりに、小さな喜びの光が心の奥で瞬いた。

七赤金星のきらめきだろうか。
「この一瞬、この小さな光があれば、それでいい」
そんな安堵が、体の芯まで広がっていった。

夜が訪れ、月はまた少し欠けはじめている。
手放すべきものは、静かに月の舟に乗せて流してしまおう。

残ったのは、金色にきらめく、ほんの小さな温もり。
それがあれば、また明日も歩いていける。

干支：辛亥（かのとい）の日。「亥」は静かに深いところから芽吹くようなエネルギーを感じさせるね。辛の繊細さと共鳴して、心が静かな静寂に包まれるかもしれないね。

九星：七赤金星（しちせききんせい）の日。陽の明るさと穏やかな喜びを感じる星。金の輝きが内側から祝福をくれるような日だよ、穏やかに心がほころぶ小さな光を感じて。

六曜：仏滅（ぶつめつ）一見すると重たい響き。でも「すべてが一度空になる日」として捉えれば、余計な想いをそっと手放すにはおだやかな時間かもしれないね。

月齢：16.3–16.6。満月の余韻を帯びた、ちょっと次の新しい始まりを感じさせる月。心の波がゆるやかに揺れて、静かな浄化や思いの整理が自然におとずれるかもしれないね。

心の天気	ひと言の解説
霧のち静寂	仏滅の「空の静けさ」は、不要な思いを手放して、心を静かに整える時間に。
月光の余韻	満月あと、やさしく光が残るように、心の奥にほんのりと明るさが残るかもしれないね。
金のきらめき	七赤金星の祝福、おだやかな喜びが内側で輝くように、ほんの少しの安心を感じていいよ。