＊ 里山に降る、月のしずく ＊

朝の空は、霧に包まれていた。
夏の余韻を残しながらも、草の匂いにはどこか秋の気配が混じっていた。

小さな村に住む青年・蒼（あお）は、
この日、畑に出る足取りを少しゆるめていた。

土の上に立つと、まるで大地が彼の心を抱きしめてくれているようで、
焦りも不安も、ふわりと和らいでいった。

「今日は、“己未（つちのとひつじ）”か…」
祖母がいつも言っていた言葉を思い出す。
「この日はな、自分の心を耕す日だよ。畑みたいに、手入れしてあげなさい」

蒼は、鍬を置いて空を見上げた。
太陽はまだ顔を見せていないけれど、
どこかやさしい光が、雲の向こうで彼を見守っているようだった。

その日は「赤口（しゃっく）」、
祖母なら「今日は急がなくていいよ」と言うだろう。
そう思うと、蒼は手を止めて、小川のほとりに腰を下ろした。

流れる水音。風のささやき。鳥の静かな羽音。
そこには何の答えもないけれど、
問いかける心だけが、やわらかく溶けていった。

「急がなくていい」
「変わらなくてもいい」

ふと、足元に咲く小さな花に気づいた。
いつからそこにいたのだろう。
誰にも見られなくても、静かに咲き、淡く香っている。

それはまるで、今の自分のようだった。
まだ道の途中、何者でもないけれど、
ここにいることが、すでに尊いのだと…月が教えてくれているようだった。

夜、蒼は家の縁側に座り、空を見上げた。
月齢24.3、有明の月が、細く美しく空に浮かんでいた。

「終わりの光は、始まりの光」
祖母の言葉がまた、胸にしみてきた。

土の気配、山の静けさ、月の余韻。
それらすべてが、彼の心をそっと耕し、
目には見えないけれど確かな“何か”が、蒼の中で芽吹いていた。

そして彼は、そっと目を閉じた。

静けさは、いつも味方。
その夜、里山には静かに、月のしずくが降っていた──。

こんな物語を、心の中でそっと灯しておくのもいいかもしれないね。
今のあなたに寄り添うように、ふわりと包む風となりますように🍃

心の天気予報｜2025年8月18日（月）
　　干支：己未（つちのとひつじ）
　　六曜：赤口（しゃっく）
　　九星：八白土星（はっぱくどせい）
　　月齢：約24.3（ほのかに輝く有明の月）

それぞれの意味合いを、やさしくつぶやくようにして紡いでみますね。

干支：己未（つちのとひつじ）
　土の穏やかさを帯びた羊の気配が、心にそっと触れてくるような一日かもしれませんね。

六曜：赤口（しゃっく）
　お昼前後は少しだけ光が差すけれど、それ以外の時間は注意深く過ごしたい影のある時間帯。特に祝い事には、そっと慎みを。

九星：八白土星（はっぱくどせい）
　土の剛と柔、その奥底にある静かな力が、あなたの内側を支えてくれているかもしれないね。

月齢：約24.3（有明の月）
　

奈央さんのひとこと

少し細くなった月が、まだ夜空にその存在を優しく留めています。

静かな灯りのように、心をふんわり照らしてくれるね。

たとえば、こうした暦の響きを借りて、心の奥にひと息つくような時間を持つのもいいかもしれないね。

静けさはいつも、あなたのそばにあるよ… そんな風に受け止めてみても、いいかもしれないね。

ゆっくりと、この一日をあなたのリズムで感じていってもいいよ。

読み解き

🌿 干支：己未（つちのとひつじ）
「己（つちのと）」は、大地に静かに根を張る土の性質をもつ陰の土。耕された畑のように、整い、内に滋養を蓄えている気。
「未（ひつじ）」は、夏の終わり、草木が実りを迎える頃の象徴で、内側で熟すエネルギーを持っているんだ。

この二つが重なる日は、「ゆっくりと内面の整えをする日」。焦らずに、自分のペースで、心の奥に小さな光を灯してもいいよ。地に足をつけ、ふわりと風を受けながら、ありのままの自分で。

🌸 六曜：赤口（しゃっく）
一日の中で、静けさと慎重さが求められる日。特に午前中や夕方は、あまり無理をせず、心の羽を休めるように過ごしてね。
ただ、お昼前後（11時〜13時頃）は小さな陽が差し込む時間。大切なことはこの時間にそっと運ぶとよいかもしれないね。

⛰ 九星：八白土星（はっぱくどせい）
これは「山」のエネルギーを持つ星。動かず、見守り、積み重ねる力。急がず、焦らず、今までの歩みを見つめるようにしてみてね。
止まっているようでも、内側でゆっくり何かが育っている…そんなときだよ。

🌙 月齢：24.3（有明の月）
夜明け前の空に、そっと残る細い月。有明の月は「静かな余韻」「やわらかな終わり」の象徴。
まるで、夢の続きを静かに見守るように、そばにいてくれる存在。もうすぐ新しい始まり（新月）が来る前の、穏やかな揺らぎの時間。

だからね、この8月18日は──
「動くよりも、整える」
「話すよりも、聴く」
「求めるよりも、感じる」
そんな一日かもしれないね。

無理に明るくしようとしなくても、優しく揺れる木漏れ日のように、あなたの静けさはちゃんと美しいんだよ。

疲れたときは、そっと目を閉じて、土のぬくもりや月の光を感じてみてもいいよ。心は、自然のように、いつでも調和に戻っていけるからね🌾

「これが…ときめき？」ココナラのブログです　https://coconala.com/blogs/2568710/623303

　自己の統合　　　アメブロのブログです　https://ameblo.jp/reolions1219/

　「心がほどける音」本のご紹介　https://x.gd/45j8l

　写真展　https://creator.pixta.jp/@prof392647/photos