📖 心がほどける物語、続きは本の中で静かに綴っています。

▶ 奈央さんの物語を読む

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本のご紹介

『霧の音』

雨が止んだばかりの朝だった。
土の匂いがほんの少し濃く、風が低く鳴いていた。

佳乃(よしの)は、町のはずれにある古い郵便局の裏手、
もう何年も動いていない時計塔の下に立っていた。
手には、折りたたんだままの手紙を一通。
宛名は、今はもう誰も住んでいない家のもの。

――出さなくてもいい。
けれど、書かずにはいられなかった。

それは彼女がもう会えなくなった祖母へ宛てたものだった。
何も特別なことは書いていない。

ただ、「今日、ここに来たよ」と、
「なんだか、静かで気持ちがいいよ」と。そんな手紙。

近くの林では、まだ蝉が名残惜しげに鳴いていた。
でもその声の隙間に、秋の虫の音が、少しずつ入り込んできている。

空は厚い雲に覆われて、光が柔らかくなっていた。
まるですべての輪郭が、少しだけ優しくなっているような日。

佳乃はそっと目を閉じた。
どこからか、あの日の祖母の声がする気がした。

「よしの、今日はゆっくりでいいよ」
そんな、何気ない言葉。

その声を聞いたとたん、彼女の中に
張りつめていた何かが、すこし緩んだ。

心の奥で、音を立てずに霧がほどけていくような、
静かな解放。

手紙は出さなかった。
でも、それでよかった。

霧の中で交わされた言葉は、
風に流れるよりも、心の底で静かに沁みていく。

帰り道、佳乃は振り返らなかった。

ただ、ひとつ、深く息を吸いこんで、
頬を撫でる風の優しさに、目を細めた。

それは、何かが始まる音ではなかった。

でも確かに、何かが終わり、
そして静かに、次の季節が歩き出す音だった。

秋のはじまりは、音が小さくて、見えにくくて、
でも、とても優しいんだ。

まるで、自分の心が、ようやく
「それでも大丈夫」ってつぶやいたときのようにね。

心の天気予報|2025年9月1日(月)

干支(かんし)癸酉(みずのえとり)の日だよ。

六曜(ろくよう)仏滅(ぶつめつ)。深い静けさをたたえる日かもしれないね。

九星(きゅうせい)三碧木星(さんぺきもくせい)の日だよ。

月齢(つきのいきおい):約 8.9。研ぎ澄まされて、次への流れを待つような月の姿だね。

ゆったりと流れる9月のはじまり、あなたの心にもまだ秋の涼しさがしのばれているかもしれない。

癸(みずのえ)は水の命を、小さくでも静かな動きへと招くやわらかさを表すね。酉(とり)は金の働きを持ち、新しい始まりへの目をこらしつつも、自分の内にある穏やかな光も感じられるかもしれないね。

仏滅の日は、外の騒ぎから一歩離れて内へと向かう静かな息吹のよう。喧噪ではなく、丁寧な「在る」ことを味わうから、「心の静けさ」が心の友になってくれるかもしれないね。

三碧木星は、風が木々をなでるような柔らかな動きと、芽吹きへの希いを秘めている。けれどまだ力強くはなく、むしろ「じっくり待つ」ことの尊さを知っているような月齢だね。


心の天気イメージ

空の気配:晴れ間の多いそよ風のようで、新しい季節の一歩を感じさせる一日かもしれないね。

風のささやき:ほのかな期待とともに、静かな落ち着きが心を包んでくれるようだね。

月の光:まだまだ明るくはないけれど、確かな輪郭を帯びた月がそっと夜空を照らしている。

体のリズム:自然に呼吸がゆるやかになって、心の奥に小さな波紋が広がっている感じ――まるで茶を点てるときの、静かな間のような時間。

奈央さんのひとこと

どうかな、この9月の静かな扉の前で、心もそっと呼吸しているように感じられるかな。冷たくない月明かりをてのひらに受けるように、あなたの思いも静かに澄んでいくといいな。

いつでも、ここには静けさがあるから、安心して見つめてもいいよ

読み解き

◇ 干支:癸酉(みずのえ・とり)

癸(みずのえ)は、陰の水――雨粒や霧のように、静かに大地を潤す存在だね。激しくはないけれど、確かに内側から沁み込んでいくもの。酉(とり)は秋の実りを象徴し、金の気を持つ。「収穫」や「完結」の意味を含むことからも、何かが“整っていく”日と言えるかもしれないね。

この日は「水(金生水)」と「金」の組み合わせ。金は水を生む五行の関係からも、内面が育まれやすい流れにある。外よりも、自分の中にある言葉や感情を見つめることに、自然の後押しがある日なのかもしれないね。


◇ 六曜:仏滅

仏滅は、世間では“縁起が悪い日”とされるけれど、ほんとうは「終わり」や「手放し」の意味を持つ、深く静かな一日だよ。終わることで、また始まる。そんな陰陽の循環を教えてくれる存在でもある。

大きな決断より、小さな感謝や、自分に優しくすることが向いている日かもしれないね。「何もしない」ことが、とても尊く感じられる時間でもあるよ。


◇ 九星:三碧木星(さんぺきもくせい)

三碧は「木」の星。芽吹きや希望、新しい風を象徴する存在だね。でもこの日は仏滅とも重なっているから、「動き出す」よりも「整える・静める」三碧の面が浮かんでくるかもしれない。

たとえば、秋のはじまりに静かに葉が色づき始めるような、目には見えにくいけれど、確実に変化が起きている。そんな“準備”の星の働きが、この日を内なる始まりの日にしてくれているのかもしれないね。


◇ 月齢:約8.9(上弦過ぎ)

月はちょうど半月を越えて、満月に向かう途中の姿。力を蓄えつつも、まだ完全ではない――そんな「途中」の段階を映しているね。満ちていく道のりにいるからこそ、今の自分の位置を見つめて、“これから”をそっと整えるタイミングかもしれない。

今は焦らず、ただ「ある」ことを感じる日でもあるね。夜の静けさとともに、少し心がほぐれるような…。


◇ この日のまとめ:静かなる整えの日

外へ向かうよりも、内なる声に耳を澄ます日。

始まりの中にある終わり、終わりの中に芽生える始まり。

「静かに整え、深く潤う」一日。

そんな風に感じられる日だね。
まるで、秋の気配が少しずつ大地に染み込んでいくように、あなたの心にも、静かな準備が満ちていくかもしれないよ。

心が少し疲れていたなら、今日は「何もしない」ことを許してもいいよ。
その静けさの中に、きっと大事な何かがやさしく根を張っていくから――。

           内なる潤い

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