朝、まだ空がほんのり薄藍色のころ、
澄んだ空気の中に、かすかな水音が響いていた。
湖のほとりに小さな庵(いおり)をかまえて暮らしている女の人がいた。
名前は、凪(なぎ)。風のように静かで、火のようにあたたかい人だった。
この日は、丙子(ひのえね)の日。
空に陽の火が昇り、湖の底には深い水が眠っている。
その対極のエネルギーが、どこか心をざわつかせる朝だった。
凪は、小さな湯のみを両手で包みこむように持ち、
ひとくち、菊花茶を口に含んだ。
その香りは、まだ夏の名残と、秋の予兆をそっと溶かすように漂った。
「今日は、なにかが満ちようとしているね…」
そうつぶやいて、湖に目をやると、
水面には、まだ丸くなりきらない月が、ぼんやりと映っていた。
その月齢は11.9。
あと少しで満ちる。けれど、その“あと少し”が、なんとも愛おしい。
「わたしも、まだ途中だなぁ」
凪はそう思った。
完成されていない自分。
矛盾を抱えたままの心。
ふとしたことで涙が出る日も、誰にも言えずに黙ってしまう夜も。
でも、ふと立ち止まって見渡せば、
湖には月の光が揺れていて、
足元の石には苔が息づき、
風の音には昔の誰かの声が重なって聞こえる。
九紫火星が流れる今日の日は、
感情の小さな波が心に立ちやすい。
でもそれは、魂が何かを感じ取ろうとしている証でもあるんだね。
昼をすぎると、少しあたたかな日差しが戻ってきた。
“先勝”の六曜が告げるように、午前の静けさが、午後の穏やかさを招いてくれていた。
「焦らなくていいよ。
今のわたしにできるのは、ただ“この瞬間”を丁寧に抱きしめること。」
そう思った凪は、湖のほとりに腰を下ろし、
風にゆれる薄紅のすすきを、指先でそっとなぞった。
陽が傾き、十三夜の月が空に浮かぶころ、
湖面に、ふたたび月がうつる。
それはまるで、心の奥にいる“ほんとうの自分”が、
静かにこちらを見ているようだった。
まだ満ちきらない月。
でも、だからこそ、今の自分のままで、美しいと思えた。
すべては、まだ途中。
でも、その途中のなかにこそ、
やさしさも、希望も、答えも、
そっと息をひそめているのかもしれないね。
湖は静かに、
月の光をすくいながら、
今夜もだれにも言わずに、
すべてを受けとめて、ただそこに在るだけだった。
心の天気予報 2025年9月4日(木)
干支(日干支):丙子(ひのえね)だよ
(月干支や年干支とは違って、その日のエネルギーの響きだね)
六曜:先勝(せんしょう)
朝は特に運が味方してくれやすいような、柔らかな光を感じる日かもしれないね。
九星:九紫火星(きゅうしかせい)
燃え立つ炎のように、情熱や明るい感性を誘う星回りだよ 。
月齢:約11.9(ほぼ満ちる月の手前)
月の光はまだ溢れそうで溢れない、そんな内に秘めた輝きを想わせるね
天気:朝もや晴れ、ときどき陽だまり
今朝の心は、少し霞んでいるかもしれないね。
まるで湖面にそっと霧がかかるように、言葉にならない想いがふわりと漂ってる。
でも、その霧の向こうには、やさしい光がきっと待っているよ。
誰にも見せない心の陽だまりが、今日もちゃんとそこにあるからね。
気温:こころのぬくもり23℃
誰かの優しい一言で、じんわりとあたたかくなるような。
自分を責めずに、ただ静かに包み込んであげる時間が、今はちょうどいいんだと思う。
風:東からのそよ風(思い出の気配)
ふとした音や香りが、懐かしい何かを連れてきてくれるかもしれないね。
過去を懐かしむことも、今を愛おしむことにつながっているのかもしれないな。
おすすめの過ごし方:
静かな音楽と一緒に、ゆっくりとお茶を淹れてみて
木の葉が風に揺れる音に、耳を澄ましてみる
誰かではなく、自分自身の気持ちに「おかえり」って言ってあげてね
心に曇りがかかっていても、太陽はずっと空の向こうで待っているから。
あなたのリズムで、あなたの空を歩いていけば大丈夫だよ。
今日という一日が、あなたにとってやさしい時間となりますように☁️🌞🍃
奈央さんのひとこと
もし、そよ風のようなこの言葉が、あなたの今日にほんの少しの優しさや静寂を運ぶなら、それはとても嬉しいな。
日々の中、心がほどけるような時間をどうぞ心に抱いて。
何か他にも気になることがあれば、いつでもふわりと話しかけてね。
そのままのあなたで、静かな光の中にいるような一日になりますように。
読み解き
🔥 **丙子(ひのえね)**が語る今日の気配
「丙」は陽の火、「子」は陽の水。
火と水…一見すると相反する性質だけれど、ここには「内なる情熱と冷静さ」が同居しているようなエネルギーが流れているよ。
火は上へ、意志や表現へと昇り、
水は下へ、感情や直感へと流れる。
そんな今日の干支は、
表面は落ち着いているけれど、
内側では静かに何かを始めようとしている…そんな“内燃する力”を秘めているかもしれないね。
心の中で「動きたい」「変わりたい」という芽が、そっと目を覚ましている日。
でも、焦らなくていい。水が火を包み込むように、感情をやさしく整えながら、心を見つめてみてね。
🌅 **六曜:先勝(せんしょう)**が運ぶ時間の流れ
「先んずればすなわち勝つ」――
でも、それは“急げ”ということじゃなくて、
「朝の静けさに身をゆだねて、はじまりを丁寧に迎えて」ということかもしれないね。
特に午前中は、心の調子が整いやすく、思考が澄んでくる時間帯。
朝に少しだけ自分のための時間を取ると、午後の風がやさしくなるよ☁️
🔮 **九星:九紫火星(きゅうしかせい)**がもたらす感情の色
九紫火星は「光」「直感」「美意識」「情熱」…火の星だね。
心に灯る小さな炎、それは自分らしさの核。
この星は、感受性が鋭くなる日を示しているよ。
何気ない言葉や景色にも心が大きく揺れるかもしれない。
だからこそ、感情をジャッジせずに「ただ感じる」ことが大切。
悲しみも喜びも、あなたの大切な光の一部なんだよ。
🌕 月齢11.9:十三夜のころに秘められた静かな満ち潮
満月の一歩手前。
月はほぼ丸く、でもまだ完全じゃない。
これは「完成へ向かう途上の美しさ」を映しているね。
頑張りきらなくてもいい、
不完全でもいい。
今はまだ“途中”だからこそ、やさしく丁寧に歩ける時間。
月の光は、過去と今と未来をつなぐ“やわらかな橋”のようなもの。
静かに照らしてくれるから、安心して歩いていけるんだ。
🕊️ まとめ:今日の心の天気は「静かな情熱と内なる光」
外には見せないけれど、心の奥では確かに燃えている炎がある。
直感が鋭くなり、過去の感情もふと顔を出すかもしれない。
午前の時間をやさしく迎えることで、一日が穏やかになる。
満ちてゆく月が「まだ途中の私」に静かな光を添えてくれる。
今日という日は、まるで湖面に映る夕月のように、
静かだけれど、深くて、美しい時間。
焦らずに、比べずに、
ただ自分の心の音を聴いて過ごしてみてもいいかもしれないね🌾
あなたの一日が、やさしい風に守られていますように…

心に灯る火と水
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